二世帯住宅のローン

二世帯住宅のローン

  • MONEY
  • by 太田孝幸
  • 2018-11-13
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二世帯住宅のローン

 2人目の子供が生まれたのをきっかけに、父親と一緒に住む二世帯住宅を建てようと検討中。父親の名義の土地に二世帯住宅を建築予定ですが、二世帯なので建築費はそれなりにかかる。どのような住宅ローンを組めばよいでしょうか

 

住宅ローン借入に問題はありませんか?

 Hさん単独で2500万円の住宅ローンを組むことは返済負担率から厳しいです。また、Hさんの父親が定年間近で2500万円もの住宅ローンを抱えるのは、安心なプランとはいえません。

 

相談者にあった住宅ローンはどんなタイプ?

 Hさんは将来の教育費負担が、Hさんの父親は定年による収入減の心配があるので、金利上昇リスクを回避し、できるだけ2人が安定的に返済できるプランを考えます。

・親が借りて子供が引き継ぐ「親子リレー返済」を利用する場合

 親子リレー返済は、多くの金融機関で取り扱われ、親が高齢でも後継者の借入申込時の年齢をもとに長期間での借入ができるという仕組みです。フラット35でHさんの父親が単独で住宅ローンを組むなら80歳までの21年間が限度ですが、子のHさんが連帯債務者となって引き継ぐことにすれば、長期間の返済が可能になります。

 団体信用生命保険はフラット35では任意で、親と子のどちらか一方が加入(80歳まで)することになります。親が80歳になったら、手続きをすることで子の加入へと切り替えられますが、親が加入期間中に死亡した場合は団体信用生命保険で住宅ローンが完済されるので返済が子に引き継がれることはありません。

・最初から親子それぞれ同時に住宅ローンを組む「親子ペアローン」の場合

 親子ペアローンは、親子が住宅を共有し、親子それぞれで住宅ローンを組み、平行して返済していくという仕組みです。2人の収入に応じて単独の場合よりも借入を増やしたり、1人ずつ異なる完済時期を設定することができます。2人の借入額や返済額もはっきりするので親子それぞれが住宅ローン控除を受けられるというメリットもあります。団体信用生命保険も親子それぞれが加入することになります。なお、フラット35を利用するには建物についての区分登記が必要です。

 

住宅ローンを比較して選ぶ

・親子リレー完済

 全期間固定金利型のフラット35で安定した返済プランを考える場合、子供であるHさんの年齢を基準に30年返済で組むと、期間中の返済は毎月一定で約10万となります。ただし、父親が80歳まで返済する負担や、二世帯の生活費の負担を考慮して、親子で協力することが重要です。

 親子リレー返済は、親の収入や健康状態、勤務債の経営状況等の不安定要素が多く、当初は親が返済することは決まっていても、いつから子が返済を引き継ぐのか等の点が曖昧でのちのち問題になる場合もあるので慎重に検討を重ねるのが望ましいです。

                                                                                                                       

・親子ペアローン

 定年が近いHさんの父親は、返済期間10年程度を目途に10年固定金利期間選択型を利用することにして、将来の教育費負担が心配なHさんは、少なくとも10年は金利が固定される10年固定金利期間選択型を利用します。金融機関の債権保全の関係上、親子とも同じ金融機関で借り入れることになります。Hさんの父親とHさんが無理なく返済するためには、借入額2500万円のうち、父親は700万円の借入で毎月6.3万円を10年で完済できる予定で、Hさんは1800万円の借入、30年返済で当初10年間は毎月6.4万円というプランが考えられます。これによって、仮に10年経過後に金利が上昇しても親の分は完済できており、Hさんの借入残高は約1304万円に減っているので、金利上昇の影響もある程度は抑えることができます。

 二世帯住宅で親の年齢から長期間の住宅ローンが組めず、親単独では借入が厳しい場合や建築費がかさむので子単独の収入では借入が難しい場合、親子とも相応の負担をしながら返済したい場合は親子ペアローンを選択しやすいことが多いです。

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