民法改正でどうかわる?

民法改正でどうかわる?

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  • 2020-05-17
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この度、民法の債権関係の規定については、明治29年の規定以来、実質的な見直しがほとんど行われませんでしたが、「判例の蓄積を取り入れ」「わかりやすい文言にする」「社会経済の変化に対応する」「国際的な取引ルールとの整合性を図る」などといった理由から約120年ぶりに民法が改正することになり、令和2年4月1日から施行されることになりました。

今回の改正民法の特徴として当事者の合意を重視していることがあげられます。

例えば売買契約の締結時に物件が既に消滅してしまったようなケースでは、旧民法では不可能を目的とする契約はそれ自体が無効であるとし、売主が債務不履行責任を負う事はないと考えられてきました。しかし改正民法では、合意した以上は不可能を目的とする契約も有効であるとし、上記のケースでも売主は債務不履行による損害賠償義務を負うことがあるとされています。このような発想の転換は瑕疵担保責任から不適合責任への転換に大きな影響を与えています。

また改正民法は契約及び、取引上の社会通念に照らしていうと文言を多用して、契約の内容と目的、取引社会で形成された共通認識を合わせ考慮すると言う法律解釈の枠組みを示していますが、法務当局は契約に特約がなければそれが取引上の社会通念に優先すると述べています。そのため不動産取引では契約文言、特約重視の傾向がさらに強まり、売買契約では特約事項及び容認事項を事細かに書き入れるスタイルが今後の主流になると予想されます。

旧民法の伝統的な考え方は、不動産は取り替えの効かない特定物であり、隠れた瑕疵があっても売主が補修する余地がなく、売主は飼い主に物件を現況で引き渡さなければ債務の履行を果たしたことになると考えていました。ただそれでは対価を支払う買主にはあまりにも不公平なため、法律が債務不履行責任とは別に瑕疵担保責任と言う制度を設けて、買主に損害賠償請求と、解除の2つの救済手段のみを与えたと説明されてきました。しかし不動産の売買契約を締結した当事者は当然に欠陥のない物件を想定していたはずであり、上記の伝統的な考え方は当事者の意思や常識からかけ離れていると批判されてきました。そこで改正民法では、不動産のような特定物の売買契約であっても、売主は物件を単に現況で引き渡すだけでなく、契約の内容に適合した物件を引き渡す契約上の債務を負う事という考え方を前提に物件に欠陥があれば売主は債務不履行責任を負う事を規律に改めました。すなわち売買契約において売主に引き渡された目的物が種類品質または数量に関して契約の内容に適合していないものであるとき、買主は売主に対して契約に基づく本来の債務の内容として補修などの追完請求やこれに代わる代金減額請求が可能となりました。また契約内容に適合していないものを引き渡しても債務の履行を果たしたことにはならないため、買主は債務不履行の一般原則通り、損害賠償請求や解除を求めることができるようになりました。

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