
リノベーション講座 戸建て編
- BASIC LECTURE
- by 太田孝幸
- 2017-10-30
- 1,526 view
構造・工法、建築基準法、地域の条例によって大きくリノベーションが「できること・きないこと」が変わってきます。また間取り変更は建物の強度を損なわないよう、充分注意が必要です。
【工法】
・木造軸組工法(在来工法)→日本で古くから伝達してきた伝統工法。一般的に柱と梁といった軸組で支えています。1階が大きく2階が小さい、窓も多くサイズも広いのが特徴です。建物を支えている柱は移動・撤去することは出来ませんが、間仕切壁は比較的自由に移動することができますので、大幅な間取り変更も可能です。
・2×4工法(ツーバイフォー)→北米で生まれた木造建築です。2インチ×4インチの木材を使用し、木材で組んだ「枠組」に構造用合板を打ち付け、6面体で建物を支えている。イメージとしてはサイコロが重なり合ったような家。四角い箱のような家、窓が小さい、洋風デザインが特徴です。面で支える構造の為、窓を大きくしたり、増やすことは難しいです。また壁を支えている間仕切壁は取り除くことが出来ません。
・鉄骨造→柱と梁を鉄骨でつくり、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル(ALC)」「窯業系パネル」などを使用した構造です。
柱と梁の主要な構造を形成する鉄骨の種類に「軽量鉄骨(厚6mm未満)」と「重量鉄骨(厚6mm以上)」に分けられますが、募集図面や募集広告には、どちらも鉄骨造と表記してある場合があります。軽量鉄骨造は耐力壁が移動できませんが、重量鉄骨造の間取り変更は比較的自由度が高いです。古い建物の場合、鉄骨にアスベストが吹き付けてあることがありますので注意が必要です。
【重要用語集】
用途地域→「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「第二種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」という12の種類が存在します。第一種低層住居専用地域とは、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とされています。簡単に言えば、建築物の高さが10mまたは12m以下と制限されています。代表的なところで、大田区にある田園調布は、第一種低層住居専用地域もしくは、第二種低層住居専用地域に指定されています。
防火地域→市街地の防火対策ため特に厳しい建築制限が行なわれる地域防火地域の場合、階数が3以上であり、又は延べ面積が100㎡を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければなりません。
延床面積→建物各フロアの床面積の合計です。駐車場は延べ床面積の1/5未満、ロフトや玄関ポーチは、床面積に算入しません。
建築面積→建物を真上からみたときの面積(水平投影面積)です。また建坪は、建物面積を坪単位で表したもので、1階の床面積を指します。
建ぺい率→敷地面積に対する建築物の建築面積(水平投影面積)のこと割合です。
容積率→敷地面積に対する建物を延べ床面積の割合のことです。
道路幅員→道路の道幅のことを指します。道幅が4m以上の道路に2m以上接していな土地には、建築物を建てることが出来ません。道幅4m未満の場合、道路の中心線より2mが敷地境界線となり、建築物の外壁を敷地境界線から後退(セットバック)させて建てなければなりません。
既存不適格建築物→建築当時は建築基準法および施工令等に適していたが、その後法改正や条例改正により違法建築物になってしまった建物のこと。違反建築物ではないのでそのまま使用することはできますが、一定規模以上の増改築、大規模修繕をする場合、現行の法令に基づいた建築が必要です。
道路斜線制限→道路を挟んで向かい合う建築物の良好な環境の確保や、道路上の日照、通風、採光などを確保するため、道路の反対側から受ける斜線制限です。建物の高さの規制ですので、2階部分の増改築には注意が必要です。

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